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ファイナンシャルプランナーに聞く お金と幸せの大事な関係 寄付を通じて得られる「幸せ」、
意識してみて

自分の心も温める「幸せのおすそわけ」

このコラムをご覧のタイミング、年末年始かもしれませんね。なんとなくウキウキする時期です。家族や友人、大切な人との時間を過ごしたり、新年を迎える喜びから、幸せを実感することも多いと思います。
もしよかったら、こうした時期に「幸せのおすそわけ」をしてみませんか。それは「寄付」です。
寄付をする人はウェルビーイングが高い傾向があるそうです。自分の幸せだけでなく、誰かの幸せのためにちょっと手助けをしてあげるのが寄付です。お金の収支でいえば純粋にマイナスかもしれませんが、そこには心が少し温かくなる「ウェルビーイングがプラス」されるというわけです。
年末年始の募金活動など、お子さんがいらっしゃる方は、一緒にお金を入れてみてはいかがでしょうか。特に子どもに対して寄付の意味を教えてあげるのは大切なことです。子どももお礼を言われてちょっと得意そうになって、自分自身が衣食住の心配もなく過ごせることが幸せである、ということを実感し、そして少し誰かに幸せをプレゼントすることを想像してみるのです。

少し余裕のある人は「お札で寄付」にも挑戦を

消費を通じて寄付に近づくこともできます。コーヒーショップが期間限定で「売上げの一定割合を寄付します」としていたり、「お菓子の売上げ1箱ごとに1円を寄付します」というような取り組みを掲げていることがあります。あなたは追加の負担はありませんが、その消費を選択したことで寄付に協力したことになります。多くの企業が社会的活動にも取り組んでおり、消費にあたってそうした意識を持ってみると、気持ちの良い消費になってきます。
さらに少しの余裕があれば、「お札で寄付」にもチャレンジしてほしいと思います。自分が応援したいと思っている活動団体を選んで、寄付をしてみるのです(銀行振込などで行う)。このとき、所得税法上、寄付金控除の対象となる団体もあり、寄付金の一部が確定申告で還付されます(寄付金控除:領収証が必要など詳しくは寄付団体および確定申告のホームページでご確認を)。

フィードバックがあると寄付の実感が深まる

寄付金控除の仕組みを言い換えると、税金の一部を寄付に回したとも言えます。シングルマザーや貧困家庭の支援、世界の飢餓問題の手助けなど、あなたが社会的問題意識を持っている活動があったら、直接寄付をしてみてください。
団体によっては、その後の活動報告などを手紙やメールでフィードバックしてくれることもあり、寄付の実感が深まります。
私は、ノーベル平和賞も受賞したWFP※の取り組みに毎年寄付をしています。無料の給食を実施することで貧困地域の子どもの学校教育機会を増やしたり、紛争地域の難民の食糧支援を行っています(東日本大震災の際には、日本でも活動しています)。
年末調整で還付金が少し出たら、その一部を使ってみるのもいいでしょう。「お札で寄付」は、自分が支援をした実感を得られることが大切です。ぜひ応援したい取り組みを探してみてください。

※WFP(World Food Programme)国連世界食糧計画

  • 山崎俊輔氏
  • profile

    フィナンシャル・ウィズダム代表
    山崎俊輔 氏
    特に確定拠出年金とリタイアメントプランに強いファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー。年金教育家、投資教育家として執筆・講演を通じて活躍中。わかりやすさと親しみやすさ、ユニークな視点に定評があり、講演についても柔和な語り口が好評を博している。

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