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レポート夢咲ACTION 小池由佳教授インタビュー 人と人をつなげる子ども食堂の今

新潟県では、2015年に新潟市東区で始まり、県内に拡大していった「子ども食堂」。
以来、子ども同士、親子同士、子どもと地域の人たち、地域の人同士、支援者と寄付者など、多様な「つながり」がうまれる場となっています。
同時に、新型ウイルス感染症禍や、継続・運営を支える「つなぎ手」など、課題が多いのも事実です。つながりによって強まる生きる力。
「子ども食堂」の今とこれからについて専門家の小池教授にお聞きしました。

  • 小池由佳 教授
  • profile

    新潟県立大学 人間生活学部 教授
    新潟ろうきん夢咲Club 幹事
    小池由佳 教授
    新潟県立大学教授。専門は児童家庭福祉。新潟市内の複数の子ども食堂、新潟市子ども食堂ネットワーク会議アドバイザー、にいがた子ども食堂研究会の座長を務めている。

Q 「子ども食堂」の課題とは?

A1 安定した運営の継続

「子ども食堂」は、地域にあり続けることによって、地域のなかで子どもがいて良い場所としての役割を果たしていくことができると同時に、地域住民にとっても、多様な交わりの中で互いに支えあうことのできる場として育っていきます。「場が育つ」ことで、互いに支え合う好循環がうまれていきます。そのためには、運営が安定し、維持できる体制をいかに整えていくか。運営費はもちろん、マンパワーや場所の確保が重要となっています。

A2 「子ども食堂」の周知と理解

「子ども食堂」は、「子どもが子どもだけでいることのできる場所」。子どもが子ども自身の思いで利用することが出来る場を地域に生み出しています。集まってきている子どもたちは「子ども食堂って楽しい!」と思ってやってきます。保護者は子育て仲間や地域の人たちとの出会いにホッと一息つくことができます。地域の人たちは、「役割を持つ」ことにもつながります。人が互いに支え合う関係にあることは、人としての尊厳を守ることにもつながります。

A3 地域に増える「子ども食堂」

  • 新型ウイルス感染症禍にあっても、県内では前年度より20近い団体が立ち上がっています。こんな時こそ、子どもがいることのできる場、社会や地域との接点となる場の必要性を感じた大人たちが動いた結果と言えます。しかし、まだ地域によってばらつきがあるのも事実。少子社会で、子どもの姿が見えづらくなり、その必要性も伝わりにくくなっていますが、だからこそ、地域に「子ども食堂」があることで、子どもと共にある地域づくりにもつながっていきます。

地域に根付いている食堂の雰囲気が好き!ずっと続けてほしい
そんな「子ども食堂」の継続のためご協力ください。

  • 「子ども食堂」が地域にあり続けるためには、それぞれの立場からの「できることからの支援」が必要です。「子ども食堂」を支援する切り口は多様です。食の提供ひとつとっても、材料の提供、調理、配膳、配付、片付け、そのプロセスのどこからでも支援することが可能です。また、「子ども食堂」は、食の提供のみではなく、遊びの提供、学習支援等、場所があることを活かした活動も行っていることが多いです。そういった活動の提供やサポートも可能です。また、地域に「子ども食堂」があることの良さを利用している人たちや運営者と共感していただくことも大事かと思っています。まずは知ってもらうことも協力のひとつです。

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