ファイナンシャルプランナーに聞く お金と幸せの大事な関係
貯金額が多い人は幸せ…
って本当ですか!?
お金がないと幸せになれないの?
貯金の額が多い人と少ない人はどちらが幸福度が高いでしょうか?
ウェルビーイング研究ではいろんなテーマを題材にしていますが、資産のあるなしと幸福度という調査もあります。
結論はやはり、貯蓄がゼロの人より貯蓄がある人のほうが幸福度が高く、貯蓄がより多い人のほうが幸福度が高まる傾向があります。例えば「老後に2,000万円」の準備の見通しが立っている人は、そうでない人よりファイナンシャル・ウェルビーイング(お金の問題に関する幸福度)が高いことが分かっています。
「お金がある人のほうが幸せなんて、そんなの当たり前じゃないか!」「じゃあ、私は幸せになれないのか?」と思われるかもしれません。お金がすべての幸福を導き出すわけではないことはもちろんです。
少しの貯金でも人生の不安は小さくなる
しかし「お金がない状態での幸せ」というのはかなり限定されることになります。例えば、家族は仲良しだけれど日々の食費の確保にも苦労している、というのは家族という幸せはあれど、長期的にみては高い幸福を得ることができないでしょう。
特に、未来のお金の不安を解消する切り札は貯金です。「5年後に子どもが高校に入学するけれど、全然準備ができておらず、学費負担が心配です」というよりは、「すべてとはいきませんが、受験費用や入学金の準備は一定程度できています」というほうが安心でしょう。その差は貯金の有無にあります。
子の学費に限りません。日常生活でも少しの貯金があるほうが、人生の不安は小さくなります。不安が少ないほうが安心であり、幸福感を得やすくなります。
貯金額が増えると人生の選択肢も増えていく
貯金ゼロという人は、がんばってお金を貯めてみましょう。貯金をする、ということは1カ月の収入より支出を少なくするということです。まず、そのこと自体がお金のやりくりの不安がなくなり安心につながります。
毎月ちょっとでもいいのでお金を貯められるようになると、それは大きな自信になります。そして、そのお金は、もしものときに取り崩せるお金となり、未来の安心につながっていきます。
まずは、毎月一定額を貯蓄し、1万円、10万円、30万円……のように貯金額を増やしていきましょう。貯金額が増えてきたら、学費負担のため、住宅購入資金のため、というように目標を具体的にし、100万円あるいはそれ以上に金額を引き上げていきます。
家計管理を上手に行い、またキャリアアップを少しずつ実現していくことができれば、貯金できる金額も増やしていけます。自分の人生の選択肢が増えていくことを実感できます。
最初は小さな一歩でよいのです。少しずつお金を貯めていきましょう。
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profile
フィナンシャル・ウィズダム代表
山崎俊輔 氏
特に確定拠出年金とリタイアメントプランに強いファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー。年金教育家、投資教育家として執筆・講演を通じて活躍中。わかりやすさと親しみやすさ、ユニークな視点に定評があり、講演についても柔和な語り口が好評を博している。
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